お餅と祖母

30/12/2013 § 2件のコメント

年末ですね。

我が家、年末はお友達のと過ごすのが恒例となっていますが、晦日の今日、大鍋いっぱいにおでんを仕込みました。

本来であれば、おせちをつくるのでしょうが、日本から遠く離れ、子供たちも夫も、おせち料理には興味もなく。

せめて、元旦のお雑煮だけでも、と、毎年努力するのですが、お正月とクリスマスが逆転のこの国では、クリスマスは家族と、お正月は友人と過ごすため、元旦の朝、年越しパーティーからお泊まりコースの子供達が、元旦の朝は家にいないという展開が続いています。

ことしも No3は、大晦日から、お泊まりとか。

お雑煮も夫婦二人で食べることになりそうです。
おもちも、パックに入った四角のお餅をいただくことになるのでしょう。

あの、つきたてのお餅の美味しさを知る私が、子供達に、あの美味しさを教え、伝えるのは無理なんだろうと思うと、さみしいなあ。

母の実家は、米屋でした。

大好きだった、母方の祖母は、毎年、年末になると、お得意様から頼まれた、お正月用のお餅のために、大量にもち米を研いでいました。
学校が休みになると、そのまま、大好きな田舎の家に転がり込み、猫の手も借りたい母の実家を手伝った?私の遠い思い出。

うろ覚えですが、確かもち米は、6俵くらいだった記憶があり、とすると、360キロくらいでしょうか?
節くれだった、手を真っ赤にして、頭に広告の入った手拭いを姉さんかぶりにして、もち米を黙々と、冷水で研いで、いくつもの、青いビニールバケツに上げ、水を張っていました。

餅つきの日は、親戚総出です。

ガスコンロの上に、鉄の大釜を置き、お湯をどんどん沸かしながら 、木で出来た丸いせいろに麻の荒い網目の布をひいて、もち米をいれ、上に乗せて、ふかしていきます。
セイロは確か3段か4段重ねて、下から順に餅つき機に、入れていくのでした。

このセイロの作業が私の仕事でした。
下から2段目を両手でしっかり持ち上げて、、一番したの蒸し上がったせいろを、大人が外す間、じっと持っているのが私の、役目だったのです。

つきあがったお餅は、粉を引いたおおきな延し板にあげられ、ちん餅にする時は、寄ってたかって、手でちぎっていきます。そしてそれを、形よく丸め、やはり粉を引いた木の箱に並べて冷まします。

のし餅にする時は、筒状になった、ビニール袋の中に、つきあがったお餅をいれて、延し棒で伸ばしていくのでした。この、伸ばしの作業は、おばあちゃんの仕事。見事な手つきでした。

冷めて硬くなるまで、この、のし餅は、かさねたり曲げたり、できないために、家中に、ござが引かれ、所狭しと整然と並べられて、冷えるのを待ちます。

そしてお楽しみは、つきたてのお餅を、皆で食べる時。

ふわふわで、真っ白の、柔らかいお餅を、アチチと言いながら、素早く手でちぎり、おかかにお醤油を垂らしたものに投げ込んだり、きな粉の砂糖をたっぷり混ぜたものに投げ込んで、いただいたり。
でも、おばあちゃんのお気に入りは大根おろしにお醤油をたらした、からみ餅でした。

おばあちゃんは90歳を越して、亡くなる前年まで、黙々と餅米を研ぎ続けました。

裕福な家に生まれ、結婚して、満州にわたり、大変な苦労をして、幼子を4人連れて引き揚げ、戦後のつらい時代に長男を心臓病でなくし、夫にも、若くして先立たれた、祖母。

私には、文字通り無償の愛を注いでくれました。

家じゅうに広げられた、のし餅、その隙間を歩く時、誤って踏んでしまった時の、あの、温かく、なんともいえない、天国の上を歩いている気分を味わったような気持ち良さと、足跡ついたら、売り物にならないかも、と、子供心に慌てる気持ち。
その時の、自分の気持ちや、祖母の、姉さんかぶりの後ろ姿。

お正月にお餅を食べるたびに、心の中に、鮮やかに蘇ります。
あの頃、餅つきをした、親戚の叔母さんたちも祖母も、今は亡く。

よく考えたら、私の母は、私の年齢ではすでにおばあちゃんに、なっていたんだっけ。
私の母だけでなく、父も、わたしの子供達に、今でも無償の愛を注いでくれているなぁ。

私も、いつか、おばあちゃんになるのかなあ?

皆様、美味しいお餅で、よいお正月をお迎えください♪

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§お餅と祖母」への2件のフィードバック

  • レイコ より:

    ステキな想い出話をありがとう!
    私も思い出します。昔は大勢でお餅をついていたこと。あの忙しい中、澄んだ空気、餅米を蒸かしてる臭い。
    全てが遠い昔で想い出です。

    私はDNAがお正月を求めてるので1月2日から平気な顔をして普通営業に戻ることがどうしても出来ないんです。
    せめて三ヶ日ぐらいはマッタリしたいなと思います。

    また来年もよろしくお願いします。
    良い年にしましょう!

    • ばく より:

      本当に遠い昔。ものすごく遠いところへ、お互いに来てしまいました。そうそう、寒いけど、真っ青な青空で、ふと家の外に出ると、雪を被った雄大な富士山が見えました。餅米を蒸す匂い。うんうん、思い出します。
      3日までは、新年ぽく、と私もおもいますが、隣家は、元旦の今日から、DIY で大音響。3に日は、仕事も入ってきました。ダメですよね。

      今年も素敵な年にしちゃいましょう!

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