ペットロス、ということ

12/12/2011 § 14件のコメント

私たち人間より、寿命が短い動物と暮らす。

この時、どうしても避けて通れないのが、「別れ」です。

一緒に暮らし始める時、どこかで、そういう日も来る事を

一応は認識します。

そして、暮らしている間も、自分より早く老いて行くのを見ながら

「いつか、その時が来る」

のだろうと身をすくめる瞬間があり,覚悟します。

でも、本当にその日が来ると、そんな、認識や、覚悟や、論理など

吹っ飛ぶのですね。

 

道路脇に横向きに倒れて、息をしていない愛犬にすがりついて

揺さぶり呼び続け、事故を目撃して、そばにいてくれた3人の親切な人たちなど

目にも入らず、声も聞こえず、立ち上がる事も出来ず。

それから、胸の痛みと、吐き気が、どうやっても止まらず、

ものが喉を通らないというより、

気分が悪くて食べられない、という状況。

辛いというより、痛い。

 

一晩,部屋に寝かせ付き添ったあと、

翌日,かかりつけの獣医さんに,会社を休んだ夫と2人で、

車にのせて連れて行き、いつもの看護師さんが、

優しく抱っこしてきれいな青いベッドに

寝かせてもらって、最後にお別れを言いました。

誰とも何も話す気にもなれず、誰にも会いたくなく、

膝を抱えて,泣き続け、3日目の朝、

クロちゃんのオーナーさんから、メッセージが届きました。

「霧の中、お散歩行こう〜」

このメッセージをもらえなかったら、もしかしたら1週間くらい、

誰にも伝えずに、こもっていたかもしれません。

話を聞いて、三々五々、駆けつけてくれた友人たちに

どんなに救われた事でしょう。

 

自分が一緒に散歩に行けば、こんな事にならなかったのではないか?

どうして夫は、ちゃんと見ていてくれなかったのか?

などと、後悔したり、人を責めてみたり。

そんな事はナンセンスだと、今は思える事を頭の中でぐるぐると

思っては打ち消したり、心が固まりになっていました。

 

2日後に、遺灰が帰ってきて、抱っこしたり、撫でてあげる対象が出来て

少し自分の気持ちを持って行く場所が出来ました。

膨大な写真の中から、約300枚を選んで、

デジタルフォトフレームに入れ、撮影順に表示すると

短い人生を、5分ほどで、一通り見られて、

立ち止ったり、ふと見たりすると、いつも違う楽しい場面が

そこにあります。

 

そして、さまざまな、場所への連絡や、手続き。

ドッグトレーナーさんに始まり、ブリーダーさん、

セラピードッグ協会や、保険会社。

3日後に予定されていた、セラピードッグの

ボランティアとしてのインタビューのキャンセル。

「すみません、犬が死んでしまったので、ボランティアの申し込みを取り下げたいのですが…」

一つ一つ、重い心を奮い立たせて、

連絡をしていき、こうやって乗り越えて行くのですね。

そして、やっと、りんごを食べる事が出来るようになりました。

りんごが好きだったぽぴちゃん。

こちらでは小ぶりのりんごを丸かじりするのですが、

私がかじる、「シャリ」という音を聞くと、

どこからともなく、スタスタと足音をさせて

もらいにくるのでありました。

フードボウルからしか食べ物は絶対に上げないという我が家の

ポリシーなのですが、実は私が、それをやぶって、

りんごだけは、かじったものから少しお裾分けしていたのでありました。

ぽぴちゃんと、私だけの小さな「秘密」

 

3週間たって、立ち直ったかといえば、

そんな事はありません。

一日も、泣かないで過ごせた日もありません。

 

でも、3月の大震災で。家族を失って、

ご遺体も見つからず、家も流され、

写真もない、、という方もいるという事実を思い、

犬と人間を一緒にするなと怒られそうですが、

お別れも出来、遺灰も戻ってきて、

写真もたくさん残っていて、家もある。

幸せな事だと思えるようになりました。

 

何とかまた、一歩、進めたんじゃないか?と

感じています。

広告

§ペットロス、ということ」への14件のフィードバック

  • 小夏 より:

    オバク、突然こんなことになっていたこと、
    おととい知りました。
    ごめんね、今頃…。
    ただただ、びっくりしました。
    そして、オバクの気持ちを思うと言葉になりません。

    どんだけでも、毎日でも泣いて泣いて、いいんだよ。
    思い出片付けるの、ゆっくりでいいんだよ。
    無理して元気ださなくていいんだよ。
    きっと、時間がちゃんとオバクを笑顔にしてくれるから…

    ポピちゃん、1度も会えなくて残念だったけど、
    オバクのブログで楽しませてもらったよ、ありがとう。

    • ばく より:

      小夏様
      本当にありがとう。突然で,あまりに若く逝ってしまって、茫然自失でフヌケでしたが、やっと少し正気を取り戻しました。こんなにみんなに愛してもらって、楽しい人生だったと感じてくれていると良いな、と思います。
      まだ、波の様に悲しみが襲いかかってくる事があるけれど、一日一日、少しづつ、ほんの少しづつ、その悲しみが耐えられるものになっています。人間って、強いです。

      ありがとうね。こちらこそ。

  • kiyomi より:

    ばくさんの 小さな一歩 に敬意を表します。

    どんなにか辛い事かと思います。
    その中で、こうやって文字を綴るという事は 
    とてつもなく大きな心が込められた一歩 だと思うから。

    今はばくさんの心の中に居場所を決めたポピーちゃん。
    私たちだって、あなたの事はずっと忘れないよ。

    なんて可愛い写真でしょう!
    ポピーちゃんそのものですね。

    • ばく より:

      kiyomiさま

      どうやら,私は書く事によって、心の整理や、反芻ができるタイプの人間のようです。大それた事ではないのですが、書いて吐き出すと少し楽になれる気がするのです。敬意なんて…お恥ずかしい限りです。

      みんな忘れないといってくれて、ほんとうにうれしい。
      果報者の犬です。この写真、かわいいでしょ。本当にかわいい子でした。

      kiyomiさん、ありがとう。

  • みりこ より:

    そんなことってあるんだ…
    と、本当にびっくりしました。

    ポピちゃんのワンコ柄のものを作るたびに
    ばくちゃんのブログで見てきた幸せいっぱいな
    ポピちゃんを思い出しては、寂しくなってますが、
    元気なポピちゃんの姿を閉じ込めたものでもありますので、
    これからも大事にしていきたいと思っています。
    ポピちゃんピップくんデザインは人気があって、
    この秋冬のイベントでもいろんな人がニコニコしながら
    買っていかれましたよ。

    • ばく より:

      みりこさま

      寂しい思い、させてごめんなさいね。
      でも、でも、幸せな元気なポピちゃんを、みりちゃんのイラスト、という、こんな形で保存できるなんて、本当にありがたいことです。元気なポピちゃんを閉じ込めた!!いいなあ、いいなあ。ニコニコしながら買って行ってくれた人に、私からも、大声でありがとうって、伝えたいです。

      最後に、また辛いお知らせです。長崎のマイマさんのオーブちゃんが、突然、亡くなりました。どうして、こう悲しい知らせが続くのか、ちょっと神様を恨みます。

      人生、明日はどうなるかわからないから、後悔しないように生きようと思うのですが、まだ、少しだけ力が抜け気味です..

  • いなひこ より:

    読むたびに涙がでて、ばくさんに掛ける言葉が・・・。
    でも元気にならないといけないんですよね。

    だんだんと年をとっていく九太郎をみてると、
    ホント覚悟を決めないといけないと思ってます。
    親バカじゃないけど、「なんて可愛いんだろう」って。

    以前新聞に載ってた、ピアニストの紘子さんのペットについての文章が
    えって驚かされたけど、そうかもと納得させられました。

    紘子さんも他の方がペットを亡くされて、すぐに新しいペットを飼う事に抵抗があったそうです。
    薄情だわと思ったそうです。
    しかし、自分がそうなってみたら、もう悲しくて立ち上がれない。
    ご主人が、亡くなったペットにそっくりの犬を連れてきた。
    名前はそっくりから「くりちゃん」
    それからは、「うりちゃん」 など、よく似たワンちゃんを飼い続けているそうです。

    これを読んだ時は、そうなんだと思ったけど、
    実際は・・・分からない。
    九太郎とソックリな子がいたら、心が動くかもしれないけど。

    周りは気にせずに自分の気持ちのまま、過ごせますように祈っています。

    • ばく より:

      いなさま

      本当にいなさんにも大変悲しい思いをさせてしまって、本当に申し訳なく思うとともに、頂いたお言葉に感謝しております。

      愛おしい九ちゃんも,年をとって行くのを見るのは辛いですよね。ピップ君も目をよく見ると白く濁ってきました。覚悟、していてもきっと,その日がきたら、悲しみに押しつぶされるのでありましょう。
      それまでもらった沢山の愛の分だけ、悲しみも深いというのは神様のご意向七日もしれません。

      ドッグトレーニングのお仲間からも、一日も早く,新しい犬を飼うべきだとアドバイスされました。悲しむ分のパワーは、新しい犬を愛するパワーにするべきだ、、と。うまく日本語で言えないのですが、「そんな気になれないと思うけど、悲しんでいるだけより、ポピーもそれを望んでいる」と、口々に言われました。

      夫は、春になったら….と、言っています。

      私は…..どうなのでしょうか。
      回りは気にせず、自分の気持ちのまま…そうします。ありがたいお言葉です。

  • おばはん より:

    明日はどうなるのかわからないから、日々を感謝して十分に過ごす。
    犬との別れの後に思いました。
    あの朝、玄関の扉をあけながらなでた犬の湿った感触を覚えています。
    犬にかけた最後の言葉は「今夜はラムよ、大丸でかってくるから」でした
    (最期まで食べ物にからむ犬生の犬でした)。
    犬がおいていった時間を使うのに夢中だった3年間。
    思うほどに何も進んではいません。
    その後の日々について彼女がどういう風におもっているのか、
    自転車で走りながら空に問うことがあります。
    こんな気持ちになるまでに4年近くかかりました。
    じょじょにです。
    よいクリスマスをお迎えください。

    • ばく より:

      おばはんさま

      明日はどうなるかわからない。。。。本当に!

      3年ですか。実は実家の母に、我が家の先代犬が旅立ったあと、3年は辛かったと、今回初めて聞かされました。そんなに辛い思いをしているとはまったく気づかなかった親不孝な私です。

      撫でたときの感触や、ほのかな匂い、足音、首輪についた迷子札が揺れる音、窓を手で引っ掻く音、外に出たいときに、鼻先で持ち上げる、キーホルダーの音。。ぼーっとしていると、聞こえた気がしてハッとします。そして、車を一人で運転しているときが一番泣きたくなってきます。

      4ねんですか。。

      ドッブトレーニングのお仲間から、新しい犬を迎え入れる事を強く勧められました。みんな犬が大好きな人ばかりで、それぞれ愛犬をなくされた経験のある人ばかりです。

      徐々に考えて行きたいと思います。

      寂しいクリスマスですが、ポピちゃんにも楽しんでもらえる様にしたいなと思うようにします。

      おばはん様、ありがとうございます。

  • ちょろひこ より:

    みんな覚悟して家族に迎え入れ、そして亡くしてから愕然とするものでしょうね。
    ばくさん、ちゃんと前に進んでる。クリスマスツリーだって飾った、思い出の箱をちゃんと開けれてる。
    りんごを食べれるようになった。すごいです。
    後悔やら、あの時ああだったら、こうだったら、いろんな思いを封じ込めないで心のままに叫んで泣いて、すごく大切なことだと思うし、もっともっと泣いてもいいと思います。
    いろんな意味でいっぱい苦しんで泣いた私の思うこと、思いっきり泣いて、さ、じゃあスーパーでも行くか、、散歩でも行こう、って、そしたら普通に笑って挨拶して、八百屋のおじさんに軽口たたいたり、、そんな風に過ごしていけるものですね。

    • ばく より:

      小さい頃から、我慢する事が美徳と育てられ、一人の人間というよりも、子供らしく、娘らしく、妻らしく、母親らしく、と,長い間生きてきてしまうと、自分の思いや、感情を表面切ってさらけ出せなくなってしまっています。叫んだり、怒鳴ったり、できません。
      でも、一人で車を運転しているときは、自分が解放されるらしく、涙もどんどん出てくるんです。そして、涙を拭って、何食わぬ顔して…

      ちょろひこさんもたいへんなときに、お心遣いを頂きありがとうございます。ちょっとだけ前に進んでいます。

  • レイコ より:

    慌ただしく過ごす中ポピちゃんたちに癒してもらおうと立ち寄り、この悲報を知りました。
    涙が止まりません。
    お別れはいつかは来るとわかっていても、あまりにも突然で、哀しい。
    ポピちゃんは活き活きとしていてこのブログの中にに生きているのに。
    どんなにか深い悲しみの中にいらっしゃるかと思うと胸が潰れます。
    ただただお悔やみを申し上げます。

    • ばく より:

      レイコ様

      驚かせてしまって、悲しませてしまって、申し訳ありません。もうすぐ日本でお忙しくなさっているのに・・・

      後ろ姿フェチのレイコさんに、是非見せたかったポピちゃんの庭に座る後ろ姿。写真があるのでいつか載せようと思っていたのですが、チャンスがないままこんなことになってしまいました。

      可愛い子でした。皆さんの記憶のなかに、幸せな姿が残っているのが救いです。忘れないでいてくださったらそれだけで幸せです。

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

Google+ フォト

Google+ アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト / 変更 )

%s と連携中

これは何 ?

London徒然草 で「ペットロス、ということ」を表示中です。

メタ情報

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。